カメラやレンズの衝動買いを止めるべき6つの理由

機材について

カメラ業界はまさに、「フルサイズミラーレス戦争」とでも言うべき大戦国時代。

ソニーEマウントをはじめ、キヤノンRFマウントやフジXマウント。

各メーカーのさまざまな新型ボディ、

そしてレンズの発売情報がSNSを賑わせています。

そういった新製品の情報を見ていると、刺激されるのが所有欲。

「そろそろこのボディも古くなったから、新しいのが欲しいなあ」

「このレンズを使えば、今よりもきれいな写真や動画が撮れるかも……!」

そのような考えが頭をもたげ、いつの間にか商品をカートへ。

カメラ好きな方であれば、そのような経験をされたことが何度もあるのではないでしょうか。

こうした衝動買いを肯定的に捉える向きもあります。

しかし、個人的には「すべきでない」と考えています。

その理由について、この記事で解説していきましょう。

 

衝動買いをすべきでない理由


衝動買いをすべきでないと考える理由は、以下のようなものです。

真に欲しいものが買えなくなる

当然のことではありますが、衝動買いをするとお金が減ります。

タダでもらえるのであれば、そもそも悩む必要がありません。

カメラボディやレンズだと、その金額もかなり大きなものとなります。

安くても5~10万、高ければ30~40万円ぐらいは普通に出ていってしまいます。

そうポンポンと支払える額ではありません。

こういった不用意な出費をしてしまうと、資金が不安定な状態となってしまいます。

たとえば、衝動買いで「欲しい!」そこそこ性能のよいレンズを手に入れた後。

数か月後に、「すごく欲しい!」と心から思える、ものすごいレンズが発売されたら……?

喉から手が出るほど欲しいレンズ。

それなのに、少し前の衝動買いのせいで資金が足りない!

と、いったような悔しい思いをするかもしれません。

サイフの紐がゆるくなる

衝動買いは、言うなれば「感情でものを買う」ということ。

決して理論的な行動ではありません。

「これは〇〇な画を撮るのに必要だから!」

とその場で理屈を作り出しても、結局自分で自分に言い訳しているだけです。

ストレートに言ってしまえば「甘やかし」です。

こうした甘やかしを一度許してしまうとクセになってしまいます。

人間、はじめてのことに手をつける前は慎重ですが、

一度行った後はむしろ軽率にすらなり得ます。

「前は20万円だったけど、今回は10万円だから大丈夫」

といった感じで、購入のハードルが低くなってしまうのです。

その結果、衝動買いが習慣化する恐れもあります。

分割払い、ローンの危険性

「分割払いやローンを利用すれば大丈夫」

そう思われている方も多いでしょう。

確かに、そうした制度を利用すれば月の出費は小さくできます。

20万の商品を24回払い、手数料無料で購入した場合、

毎月の支払額はおよそ8,333円。

「ボーナス払い」などの制度を活用すれば、さらに月支払い額を抑えられるでしょう。

しかし、重要な問題は「一度の支払い額」ではありません。

分割払いによって出費が分散したことにより、

「大きな買い物をした」

という実感が薄れてしまうことが、とても大きな問題なのです。

分割された出費を「大したことない」と思い込み、また新たな衝動買いをしてしまうおそれがあります。

「これぐらいの支払いなら、もう一個ぐらい同じ金額の買えるだろ」

と言ったようにです。

その結果、月々の出費も積もり積もって何万円単位に。

なおかつそれが何十ヶ月も継続されるという、経済的にかなりつらい状況に陥ってしまいます。

フリマアプリ、買取店舗の罠

「衝動買いしても、フリマアプリや店舗で売ればいい」

そのような考えも一理あります。

たしかに、購入時の価格に近い値段で手放すことができれば、経済的な損失はほとんどありません。

しかし、それは「うまくいけば」の話。

機材によっては、非常に値崩れが激しい場合があります。

売上が不調だったカメラボディの場合、1年経っただけで最安値が3~4割以上下がってしまうことすらあるようです。

手放すタイミングを逃していると、結局は損をしてしまいます。

損をしないためには早めに手放すのが無難ですが、そもそも最初から衝動買いをしなければよいということにはならないでしょうか。

結局役に立たない

高いお金を支払って手に入れた良質の機材。

しかし、果たしてそれは本当に自分の役に立つものでしょうか

やはり、勢いでなんとなく「欲しい!」と考えてしまっただけではないでしょうか。

「そんなことはない!」

と思ってなんとかその機材を使おうとしても、なんだかしまらない。

重すぎて持ち運びづらかったり、焦点距離が自分に合わなかったり。

あるいは、既に持っている機材で十分やりたいことができると気づいたり……。

そのようなことが続けば、いつしか「この機材を使う楽しさ」が「わざわざこの機材を持ち出す煩わしさ」に負けてしまいます。

その結果、

「別にこれ、わざわざ買わなくてもよかったのでは……」

という後悔の念に襲われることとなります。

「万が一」に備えられなくなる

衝動買いの際支払うものは、自分の貯金です。

他人が代わりに購入してくれることなどまずありません。

そしてその貯金は、いざという時のためのものでもあります。

急な病気や事故、その他何かしらの大きな出費が求められる緊急事態。

十分な貯金がなければ、そうした深刻なアクシデントに対応しづらくなります

言うなれば、「お腹が空いた」からといって自分の足を食べ続けるタコのようなもの。

いざという時、足がなくて困ってしまうのは他ならぬ自分自身です。

衝動買いを防ぐための方法と考え方


以上のような理由から、カメラやレンズの衝動買いはあまりすべきでないというのが自分の意見です。

それでは、物欲を抑えて衝動買いをしないようにするための方法はあるのでしょうか。

自分が提唱するのは、以下のような方法です。

機材に頼らずスキルを学ぶ

そもそも、「なぜ新しい機材をそんなに欲しがるのか」という点が問題です。

カメラボディにせよレンズにせよ、

「もっときれいで面白い画が撮りたい」

といったようなことが、衝動買いの主な理由となっているように思えます。

しかし、そうした「面白い画」は、本当に機材を買わなければ作れないものでしょうか。

昔と比べ、カメラ機材の性能は大きく向上しています。

2~3年前の型落ち機材でも、写真や動画がまったく撮れないというほど低性能のものはほとんどありません。

現在は、Photoshopなどレタッチのためのソフトも充実しています。

レタッチスキルを身につければ、高い機材を購入してまで撮りたかった画を自分で作り出せるかもしれません。

(本格的なレタッチに抵抗を感じるのであれば仕方ありませんが……)

超高級単焦点レンズを買わなくても、手持ちの標準ズームでちょっと工夫すれば、充分満足のいく写真が撮れるかもしれません。

それにです。

安易に「機材」に頼るよりも、自分の腕を磨いて対策した方が、なんとなくかっこよくないでしょうか。

「足るを知る」という考えを持つ

現状所有しているもので充分であり、それ以上のものは必要ないという考えです。

「超望遠レンズや超広角レンズが無くとも、大きな影響はない」

「ジンバルやGoProを買わなくても、オシャレな映像は撮れる」

といったことを、常に進んで頭の中で考えておくようにしておきます。

実際、写真や動画を生業にしていない限り、そこまでガッツリと機材を揃える必要はないはずです。

セール、キャッシュバックを振り切るためのマインド

衝動買いを誘発するとんでもないトラップが、セールやキャッシュバックです。

特に、ヨドバシカメラなどで時折行われる、1日限定のタイムセールなどに遭遇してしまった時は要注意です。

「今買わなければ、次購入する時に損をしてしまうんじゃ……」

と思い込んでしまいがち。

しかし、それは焦りでうまく考えが回らなくなっているのかもしれません。

たとえば、貯金が100万円しかない時、30万円のカメラが25万円のセール価格で売られていたとします。

つい我慢できずこれを買ってしまった場合、あなたは資産の25パーセントを失ったこととなります。

しかし、貯金が200万円の時、セールされていない30万円で買ったとすればいかがでしょうか。

失った資産の割合は15パーセントに過ぎません。

つまりこの場合、非セール時に購入した後者の方が、実は資産へのダメージが少ないのです。

貯金が少ない時にちょっと安くなっただけのものを買うと、その後しばらくはお金のやりくりが苦しくなる可能性があります。

それを考えれば、多少高くなっても貯金に余裕がある状態で購入した方が、金銭的な苦労を抑えられるのです。

こう考えれば、実はセール中に買った方が「損失」は大きいとも考えることができます。

自身の経済的事情を具体的に把握しておく

先述した通り、衝動買いがいけない理由は、想定外の高額出費を発生させてしまうということです。

感情のまま出費をしてしまうので、経済的にはまったくよいことではありません。

だとすれば、自分の経済的状況がどのようなものかを知っていれば、衝動買いの気持ちを抑えられるかもしれません。

自分の収入や定期的な出費を正確に把握していれば、不規則な高額出費の深刻さを実感することができるのではないでしょうか。

まとめ

「自分はそんな間抜けなことはしない」

と考えていても、未来は分からぬもの。

何かしらのきっかけで物欲ブレーキが壊れれば、他人を笑えないことになってしまうかもしれません。

「買わない理由が値段なら買え、買う理由が値段なら買うな」

という格言のようなものが出回っています。

しかし、たとえ値段の垣根を超えて入手したいものであったとしても、やはり一旦立ち止まって考えるべきではないでしょうか。

レビューサイトや動画は購入を後押ししてくれても、その後の結果には一切責任を持ってはくれません。

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