カメラ機材というのは、実にバリエーション豊かです。
ヨドバシカメラやビックカメラ、それに加えてAmazonを見れば、100どころか1,000を超える実に多種多様なカメラ機材を見ることができるでしょう。
中にはとても便利な機能を持ち、その説明文やレビューを見ているだけで食指がピクピクと動きだすような、魅力にあふれたアイテムだってあります。
しかし、少し待ってください。
それらの機材って、本当に必要でしょうか。
買って最初の内何回かは使ってみて楽しいものの、すぐに持ち出すのが億劫になってしまわないでしょうか。
秋ごろに購入したスポーツ器具のように、クローゼットの主になってしまわないでしょうか。
そうなれば、お金とスペースのムダです。
買わない方がマシかもしれません。
というわけで、今回はかなり役立つけれど、実はなかなか使いづらいカメラ機材について解説していきます。
ネットの記事や動画を見て、衝動買いしてしまいそうな時にお読みいただければうれしく思います。
ジンバル(電動スタビライザー)
FeiyuTech AK2000C ジンバルスタビライザー3軸,一眼レフ/ミラーレス用,Sony A9/A7/a6400 Canon EOS R/80D/M50 富士XT4 対応,OLEDタッチスクリ 耐荷重2.2Kg 1年間保証日本語取説付-並行輸入品
現場バリバリでジンバルを活用してらっしゃる方。
そして、ジンバル愛好家の方。
怒らないでください。
「なめとんのかこのトーシローが!」
とおっしゃるお気持ちも分かります。
その通り、ジンバルはとても優れた機材のひとつです。
ブレない移動撮影をお手軽に実現できます。
うまく使いこなすことができれば、映像クオリティを各段に高めることもできるでしょう。
ちなみに、私がかつてジンバルを使って制作した動画がこれです。
なんとなく、塚本晋也監督の「鉄男」っぽいことをやりたくて撮りました。
これを見せた知り合いから言われたのが
「ジンバル使う意味が感じられない映像」ということばでした。
はい、グサッときましたね。
それはさておき、ジンバルというのは映像表現に大きな広がりを与えてくれるアイテムです。
ただ、大きな問題として、「重さ」と「手間」があります。
ジンバルは意外と重量があるだけでなく、設定に多少なりとも時間がかかるのです。
もちろん、事前にある程度セッティングをしておけば、手間をある程度は減らせます。
ただ、機械とはわがままであり、状況とは定まらぬもの。
田舎の駅前で「こんなはずじゃなかったのに~」と言いながら、なかなか合わないバランスに四苦八苦させられるといったことも少なからずあります。
そして、ジンバルを一度セッティングしたが最後、それを一旦止めるのもまた面倒です。
一回カメラを撮って、またジンバルにセットし直しというのは面倒臭いもの。
再セットの際、バランスが狂うかもしれません。
「ジンバルでローカル駅周辺の散歩動画を撮りたいなー」
と思ったとします。
そうすると、長い時間ジンバルを持ったままとなります。
これが重くて、なおかつ恥ずかしいのです。
(自分は「うわ、YouTuberや笑」とか言われたことがあります)
よって、ジンバルをずっと使い続けるには、ある程度の「根気」が求められるかと思います。
そうでなければ、次第に「面倒さ」を感じるようになるでしょう。
「ジンバル使えばなんか面白げな映像撮れんだけどな~」
「でも重いし面倒くさいからやめるわー」
といった感じです。
これを使いこなしている方、本当にすごいと思います。
とは言え、最近は軽量で高性能なジンバルもたくさん登場しています。
今後はどんどん持ち出しやすくなるかもしれません。
FeiyuTech AK2000C ジンバルスタビライザー3軸,一眼レフ/ミラーレス用,Sony A9/A7/a6400 Canon EOS R/80D/M50 富士XT4 対応,OLEDタッチスクリ 耐荷重2.2Kg 1年間保証日本語取説付-並行輸入品
アルミ三脚
一眼レフ 三脚 K&F Concept カメラ三脚 軽量 アルミ合金製 コンパクト 一脚可変 自由雲台 デジタルカメラ 一眼レフ用 クイックシュー式 レバーロック式 25mmパイプ径 収納専用ケース付き 折り畳み可能 オレンジ S254
現在、三脚に使われている主な素材としては「アルミ」か「カーボン」の二種類。
一部の高級品を除き、およその場合アルミ製の方が安価となっています。
しかし、安さには何かしらの理由があるもの。
アルミ三脚のデメリットを事前に把握しておかなければ、痛い目に遭うかもしれません。
そのデメリットとは、「揺れ」「冷たさ」「重さ」の三つです。
アルミ三脚の欠点のひとつは、揺れに弱いということ。
近くで電車や大型車両が通ったりすると、しばらくの間わずかに揺れ続けることがあります。
それが、写真や映像のブレの原因になってしまうことも少なからずあるのです。
また、冬の寒い日には冷たくなり、扱いづらくなることもあります。
それに加え、カーボン素材と比べると重く、長時間の運用は体力を要します。
外からの振動が伝わらない屋内で使用するのであれば、問題はありません。
ただ、個人が野外で使用するとなると、上記の短所がネックとなり得ます。
長くトラブルなく使用したいのであれば、多少無理をしてでも有名メーカーのカーボン三脚の購入をおすすめします。
(逆に無名メーカーのものは危険)
Manfrotto 三脚 290シリーズ XTRA カーボン 3段 3ウェイ雲台キット MK290XTC3-3W
オールドレンズ
Pentax M42 Super Takumar 55mm F1.8
カメラ愛好者がこよなく愛する工芸品とも言える存在が、オールドレンズです。
年代が蓄積されているからこその、ノスタルジックな描写。
時として、最新レンズですら到底かなわないような美しい風景を描きだしてくれることもあります。
あえて古いレンズを使うことによって、新たな発見を得られることもあります。
まさに「温故知新」というべきもの。
ただ、オールドレンズの使用は少しばかり手間です。
まず、ピント合わせの問題です。
「TECHART LM-EA7」のような特別なアダプターを使用しない限り、オールドレンズはマニュアルでピントを合わせる必要が生じます。
現在カメラの正確でスピーディなオートフォーカスに慣れている方の中には、手動でのフォーカス調整がかなり億劫に感じられるかもしれません。
もうひとつは、アダプターの存在です。
ほとんどのオールドレンズは、そのマウントに合ったアダプターを購入しなければ使用できません。
K&F Concept レンズマウントアダプター KF-NFM (ニコンFマウントレンズ → ライカMマウント変換)
ところがこれがクセモノで、種類豊富なオールドレンズを使いたければ使いたいほど、アダプターも買いそろえなければならないのです。
すべてのオールドレンズが同じマウントであれば、どれだけ楽か。
でも、そういうわけにはいきません。
そうなると、費用面はもちろんのこと、イージーミスが発生しやすくなります。
使いたいオールドレンズと合わないアダプターをうっかり持参してしまったり、そもそもアダプターを忘れてしまったり……。
仕事以外でも、毎日荷物をくまなくチェックするような方であればともかく、自分のようなガサツな人間には少々煩わしさを感じてしまいます。
オールドレンズの描写は「あえて使いたくなる」ほどに魅力的ではあります。
しかし、人によっては次第に「面倒くささ」が勝ってしまうことになるかもしれません。
アクションカメラ(GoProなど)
ポケットに入れられる超小型サイズ。
しかも超強力な手ブレ補正つき。
さらには防塵防滴で丈夫。
「GoPro」をはじめとするアクションカメラは、たくさんの長所を持っています。
しかし、そうした長所をすべての人間が活かせるかとなると、また話は別です。
わざわざ5万円以上支払ってまで撮りたい映像、具体的に決まっていますか?
もしあったとしても、それは別の機材で代用できませんか?
また、メリットが強調されることの多いアクションカメラですが、欠点も少なからずあります。
自分が使用していてもっとも困らされたのが、暗所耐性の低さです。
アクションカメラに内蔵されているセンサーは非常に小さく、暗い場所をとても苦手としています。
そのため、明かりが十分に取れない場所だと、かなり画質が落ちてしまうのです。
たとえばGoProの場合、明かりの少ない場所で撮影を行うと、非常に激しい画質低下が発生することがあります。
参考:GoPro HERO9 BLACK 夜間での手ブレ補正とジンバルを併用して検証
byひかるのノースランドCHANNELさん
これを防ぐためには小型ジンバルを使用するなどの方法が考えられます。
ただ、その方法では荷物、そして費用が嵩みます。
そこまでしてあえて使うべきものなのか。
自分が思い描いていた「楽しみ方」から離れていないか。
購入前に考えておいた方がよいかと思います。
まとめ
この記事で紹介した機材は、いずれも大きなメリットを持っているものです。
しかし、何かしら理由に起因した使いづらさも同時に内包しています。
機材に限らず、自分の欲しいものを選ぶ際は、メリットばかりに目がいきがち。
もっとも重要なこと。
それは、自分がそのメリットを活かせるかではないかと思います。
もっと簡単に言えば、
「ずっと楽しく使い続けられるか」
「自分の”武器”にできるか」
ということです。
倉庫に置きっぱなしの機材は見ていてあまり面白くないもの。
フリマアプリで処分するのも手間です。
「買わない理由が値段なら買え」ということばがあります。
しかし、そこで一歩立ち止まり考えてみるのも、大事ではないでしょうか。
多くの方にとって、資産は有限でそれほど余裕はないのですから。